新たな小型船舶の免許制度


 平成15年6月1日から、新たな小型船舶の免許制度がスタートします。新しい免許制度の概要は次のとおりです。



  • 新しい免許は、現行の1級から5級までの5区分から、ボート・ヨット用の「1級」、「2級」と水上オートバイ用の「特殊」の3区分に再編されます。
    免許区分は3区分になります。

  • 1級と2級には「総トン数5トン未満限定」の区分が設けられます。さらに、2級には現行の湖川小馬力と同様の「湖川小出力限定」の区分が設けられます。
  • 水上オートバイを操縦するためには、「特殊」の免許を所有しなければなりません(新1級・新2級の免許では操縦できません。)。
  • 現行免許と新免許の対比は次のとおりです。

免許再編



  • 旅客船や遊漁船など人の運送をする小型船舶の船長になろうとする方は、通常の試験(小型船舶操縦試験)の合格に加えて、海技士の免許講習の一部を活用して行われる「小型旅客安全講習」の受講が必要になります(新規取得者のみ)。



  • 小型船舶の範囲については、これまでの総トン数20トン未満の船舶に加え、総トン数20トン以上の船舶のうち、長さ24メートル未満の船舶であってスポーツ又はレクリエーションのみに用いられる船舶として一定の基準に適合するものが、小型船舶に含まれることになります。(総トン数の限定のない1級又は2級の免許で操縦することができることになります。)



  • 免許証は「海技免状」から「小型船舶操縦免許証」に名称が変わり、住所や英文も表記されるなど様式も一新されます(現在、海技免状を所有する方は、当該海技免状の有効期間内はそのまま使用することができます。更新の際に新免許証へ引き換えとなります。)。
  • 1級(又は2級)と特殊の両方の免許を取得している方には、両方を合わせて表示した1枚の免許証が交付されます。
  • 免許申請用紙等の様式も一新されます(旧様式の申請用紙は使用できなくなります。)。
  • 免許の申請など各申請に必要な写真のサイズは、パスポート申請用のサイズ(45mm×35mm)で統一されます。



  • 免許証の有効期間は、現行どおり5年間です。免許証更新の際の更新講習については、各免許区分とも共通です。(1級(又は2級)と特殊の両方を所有する方は、1回の受講で更新できます。)
  • 特殊の免許を取得している方が、後日、1級(又は2級)の免許を取得した場合、両方の免許を表示した新たな免許証の有効期間は、後に取得した1級の免許の交付日から5年間になります(1級(又は2級)の免許を先に取得し、特殊の免許を後に取得した場合もこれと同じです。)。



  • 試験は、現行どおり、身体検査、学科試験及び実技試験となります。
  • 試験については、安全に配慮しつつ簡素な内容になります。

      例: 六分儀の取扱いに係る事項の廃止

     
    エンジン等における理論的な内容はできるだけ簡素化
    「限定無し」の実技試験は、5トン未満の小型船舶での試験を廃止 等


  • 上級等の免許を取得する場合の試験免除(プロモーションシステム)が拡充されます。

      例:
     学科試験の全部免除
     2級(5トン限定) ⇒ 2級(限定なし)
     1級(5トン限定) ⇒ 1級(限定なし)
     実技試験の全部免除+
     学科試験の一部免除
     2級(5トン限定) ⇒ 1級(5トン限定)
     2級(限定なし)  ⇒ 1級(限定なし)
     学科試験の一部免除

     
     2級(5トン限定) ⇒ 1級(限定なし)
     特殊 ⇔ 1級又は2級(湖川小出力以外)
     特殊 ⇒ 湖川小出力


  • 身体検査は、医師による事前の予備身体検査を受けなくとも試験会場での受検が可能になります。また、身体検査合格証明書の有効期間は1年間に一本化されます。
  • 学科試験と実技試験は、どちらを先に受験するかを選択できることになります。
  • 1級(5トン限定)の免許については、学科試験は通常の1級と同じですが、実技試験は5トン未満の小型の試験艇を用いて実施します。
  • 2級(5トン限定)の免許については、学科試験は通常の2級と同じですが、実技試験は5トン未満の小型の試験艇を用いて実施します。
  • 特殊(水上オートバイ)の実技試験は水上オートバイ(シッティングタイプ)を使用して行います。
  • 学科試験及び実技試験が免除される船舶職員指定養成施設は「指定小型船舶教習所」と名称が変わります。また、修了期限(入所から修了までの期間)は、現行の6月間から1年間に拡大されます。



    小型船舶の船長が遵守しなければならない事項が次のとおり規定されました。


1.酒酔い操縦等の禁止

酒酔い操縦等の禁止



2.免許者の自己操縦

免許者の自己操縦

   ※ 上記の他、体験乗船等を行う場合であって、安全上の一定の要件を満たしているものと
      確認されれば除外されます。



3.危険操縦の禁止

危険操縦の禁止



4.救命胴衣の着用義務

救命胴衣の着用義務



5.発航前検査の実施

発航前検査の実施



6.見張りの実施

見張りの実施



7.事故時の対応

事故時の対応




 前記遵守事項の@からCに掲げる事項の違反をし、一定の基準に達した場合には、6月以内の免許停止等の行政処分を受けることとなる場合があります。
 なお、再教育講習を受講すると、この行政処分が免除又は軽減されることになります。





 現在免許を所有している方等の取扱いは次のようになります。

  @ 免許

 現在お持ちの免許は次のとおり、新免許とみなされます。

免許の移行措置

  

現行の1級・2級の免許に総トン数5トン未満の限定がある場合は、新1級(5トン限定)+特殊の免許にみなされます。

  

※※ 現行の4級の免許をお持ちの方が、新制度施行後に、限定のない新級免許を取得しようとする場合は、20トン未満の試験艇を用いた実技試験のみに合格すれば取得できることになります(なお、指定小型船舶教習所における20トン未満の船舶を用いた実技の教習を修了することにより、この試験の免除が受けられます。)。



  A免許証

  • 現在お持ちの海技免状は、その有効期間が満了するまでは、新たな免許証とみなされ、引き続き有効なものとして使用できます。
  • お持ちの海技免状は、更新の際(失効している場合は失効再交付の際)に新しい免許証に引き換えとなります。
  • 本年6月1日以前に学科試験に合格している場合、6月1日から1年以内の期間(当該学科試験の合格証明書の有効期間内に限る。)に限り、現行と同内容の実技試験を受験することができます。これに合格した場合には、現行免許に相当する新免許を受けることができます(例:現行5級試験の合格者は、新2級(5トン・1海里限定)+特殊の免許を受けることができます。)。
  • 本年6月1日以前に試験の全部に合格しているものの、免許申請をしていなかった場合、免許申請を行う(当該試験の総合合格日以後1年以内に限る。)ことにより、現行免許に相当する新免許を受けることができます(例:現行4級試験の合格者は、新2級(5トン限定)+特殊の免許を受けることとなります。)。



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